2025年世界陸上東京大会に出場し、
女子100メートルハードルで準決勝進出を果たした福部真子選手。
現在、彼女はまれな疾患である「菊池病」と闘いながら競技を続けています。
菊池病は首のリンパ節が腫れ、発熱や強い倦怠感を伴うことがある病気です。
日常生活にも影響を及ぼすケースがあり、それはアスリートにとって大きなハンデとなりえます。
それでも福部選手は「自分の経験が誰かの支えになるかもしれない」との思いで
病気を公表し、競技をあきらめることなく第一線に立ち続けています。
本記事では、福部真子選手のこれまでの経歴、菊池病との向き合い方、
そして病気やケガを抱えながら挑戦を続ける姿を紹介します。
福部真子選手のプロフィールと陸上経歴
はずまじめに、福部真子選手のプロフィールを紹介します。

引用元:Instagram
- 名前:福部真子(ふくべ まこ)
- 出身地:広島県
- 生年月日:1995年10月28日(29歳)
- 所属:日本建設工業
- 主な実績:全国高校総体3連覇、日本選手権優勝、日本代表として国際大会に出場
福部選手は「かわいすぎる陸上選手」として注目されることも多いですが、
実力は折り紙つきです。
小学校4年生の時に地元のクラブで陸上を始め、
高校時代にはインターハイ(全国高校総体)100メートルハードルで 3連覇 を達成。
その後も日本選手権での優勝や、オリンピックをはじめとした国際大会への出場経験があり、
日本女子ハードル界のホープとして高く評価されてきました。
菊池病を公表した背景

引用元:Instagram
菊池病は、正式には「亜急性壊死性リンパ節炎」と呼ばれ、
首やわきの下のリンパ節が腫れ、発熱や強い関節の痛みなどを伴う病気です。
特に若い女性に多いとされ、原因はいまだにはっきりと解明されていません。
福部真子選手が菊池病を発症したのは2024年10月のことでした。
最初に感じたのは首のリンパ節の違和感や痛み。
病院で血液検査を受けても「異常なし」と診断され、
当初はそのまま練習を続けていたといいます。
しかし症状は治まらず、発熱を繰り返すようになりました。
やがて39度近い高熱が続き、解熱剤を服用しても下がらなかったことから
再び大きな病院で精密検査を受け、「菊池病の疑い」と診断されました。
「日ごとに体調が変わり、なぜ自分が・・・という思いで涙が止まらなかった」
と福部選手は当時の心境を振り返っています。
それでも、「同じ病気で苦しんでいる人が少しでも勇気を持つきっかけになれば」
との思いから、自ら菊池病を公表する決断をしました。
菊池病を公表した有名人については、関連記事で詳しくまとめています。

菊池病と競技を両立する日々
正式に「菊池病」と診断された後も、負けず嫌いな性格の福部真子選手は、
病気を理由に陸上を諦めることはありませんでした。
それからは、治療と競技をどう両立させるかという新たな挑戦が始まりました。
菊池病の治療には、一般的にステロイド剤が使われます。
しかしステロイドはドーピング検査で禁止されている薬剤の一つです。
福部選手は「病気の治療のために必要」
と認められる特例制度=TUE(治療使用特例)申請を行い、
正式に許可を得て治療を開始しました。
治療薬の効果もあり、少しずつ体力は回復していきましたが、
依然として全盛期のような体力は戻っていません。
練習を再開しても、しばらくは、
一歩進んでは三、四歩下がっての繰り返しだったそうです。
現在はオーバーワークを避け、
毎日の練習を少しずつ積み重ねるスタイルを取っています。
また、菊池病の特徴である倦怠感が強く出る日もあるため、
練習後はできるだけ早く休養し、体力の回復に努めています。
福部選手はこう語っています。
「病気を理由に夢を諦めたくない。
同じ菊池病で苦しむ人に、もがきながらでも頑張っている姿を伝えたい。
菊池病の人が少しでも生きやすい世界になってほしい。」
その強い思いこそが、彼女を再び陸上競技へと奮い立たせているのです。
現在の活躍とファンからの期待
菊池病を公表した後、福部真子選手のもとには、
同じ病気と闘っている人やファンからの温かいメッセージが数多く届きました。
「励ますために公表したつもりが、逆に元気と勇気をもらった」と福部選手は語っており、
その声がずっと彼女を支え続けています。
そして2025年9月14日に開催された世界陸上東京大会では、
見事に女子100メートルハードルで準決勝進出を果たしました!!!
「世界陸上に出場できたこと自体が奇跡。
まずは一本一本を大事に走りたいと思った結果、準決勝につながってよかった」
と、涙を浮かべながらコメントしました。
福部選手の挑戦は、同じ菊池病を抱える人だけでなく、
病気や困難と向き合うすべての人にとって、
大きな希望と勇気を与えたことでしょう。
まとめ
福部真子選手は、菊池病を「克服した」のではなく、
「病気と共に走り続けている」アスリートです。
病気の影響で体調が不安定な中でも、
競技への情熱を失わず挑み続ける姿は、多くの人に勇気を与えています。
「逆境に強い選手」としての姿は、陸上競技やスポーツのファンだけでなく、
同じ病気に苦しむ人々にも希望を与えているはずです。
そして、この記事を書くにあたり筆者自身も、
福部選手のひたむきな努力と挑戦にとても感動しました。
これからも福部真子選手の挑戦を応援していきましょう!