犬や猫など、家族として暮らしているペットは私たちに癒しや元気を与えてくれる存在です。
しかし日本では、やむを得ない事情で手放され、保健所や保護施設に引き取られる犬や猫が後を絶たず、
最終的には殺処分されてしまう命も少なくないのが現実です。
こうした現状に心を痛め、行動を起こす芸能人が増えています。
自宅で保護犬・保護猫と暮らす人、施設を運営する人、寄付や啓発活動を続ける人など、
様々な方法で支援をしています。
今回は、坂上忍さん、やす子さん、杉本彩さんといった芸能人の取り組みと、
ペットの保護活動が持つ意味について詳しくご紹介します。
やす子さんの性格や切ない生い立ち、将来の夢についてはこちらの記事をご覧ください。

なぜ芸能人はペット保護活動に力を入れるの?
芸能人がペットの保護活動に力を入れるのには、いくつか理由があります。
まず、2023年から2024年の1年間で、日本では9,017頭の犬や猫が殺処分されました。
この数は少しずつ減ってきてはいるものの、ゼロにはほど遠い状況です。
手放される理由としては、飼い主の高齢化や経済的な事情、引っ越しなどが多いのですが、
実は手放す前に解決できるケースも少なくありません。
そこで、ペット好きな芸能人たちが保護活動に関わることで、
保護の現場や殺処分の問題がもっと多くの人に知られるきっかけになります。
特に芸能人は、テレビやSNSでの発信力が大きいので、
「私も何かできるかも」と感じる人が増えるという効果も期待できます。
さらに、実際に保護犬や保護猫と一緒に暮らしている姿を見て、
「保護犬・保護猫はかわいい」「自分も迎えたいな」と思う人が増えることにもつながります。
ペットの保護活動をしている芸能人たち
ここからは、ペットの保護活動に力を入れている芸能人を一部、ご紹介していきます。
坂上忍さん
坂上忍さんは、昔から犬好きとして知られていて、これまでもたくさんの犬と暮らしてきた
芸能界きっての動物好きとして有名です。
長年にわたって犬や猫の保護に取り組んできた経験をもとに、
2022年4月には千葉県袖ケ浦市に「さかがみ家」という動物保護ハウスを開設しました。
この施設は、坂上さんの私財で作ったもので、今も保護犬や保護猫のお世話をしながら、
様々な理由で飼い主から手放された身寄りのないペットを引き取り、
新しい家族へつないでいく活動を続けています。
運営には多くの費用がかかっており、これまでにかかった金額は数億円にもなるそうです。
しかし、一生をかけて、少しでも多くの命を救いたいという坂上さんの信念は変わらず、
その活動の足を止めることはありません!
この取り組みを、テレビやYouTubeでご覧になったことはありますか?
引き取られたばかりの犬や猫は不安そうにしていることが多いのですが、
時間がたつにつれて人に慣れ、のびのびと過ごせるようになっていく姿には本当に心を打たれます。
坂上忍さんやスタッフの皆さんが、どれほど愛情を込めて保護犬や保護猫と向き合っているのか。
画面越しにも伝わってくるんです。
坂上さんの深い愛情や熱い思いが届いただけでなく、「保護犬・保護猫はこんなにかわいいんだ」
「自分も引き取りたい」と感じた人は、きっと筆者だけではないはずです。
やす子さん
お笑い芸人のやす子さんは、幼いころとても人見知りだったそうです。
そんな性格を変えてくれたのが、「ステップ」と「ワゴン」という名前の2匹の犬との出会いでした。
犬と暮らす中で友達ができた経験から、「動物に恩返しがしたい」という気持ちが芽生え、
ペットの保護活動に関心を持つようになったそうです。
将来は「ハッピーランド」という名前の、
行き場を失った動物たちを保護してお世話をする動物園を作るという夢を描いています。
すでに保護動物と関わる活動にも取り組んでいて、
そのご縁で2024年8月には大人の猫・アビシちゃんを家族として迎え入れました。
施設を運営するには多くの費用や人手が必要です。
やす子さんはその現実を坂上忍さんから直接聞いて、莫大な費用に驚いたといいます。
それでも夢を諦めることなく、計画を見直しながら少しずつ準備を進めています。
やす子さんの将来の夢については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

杉本彩さん
タレントの杉本彩さんは、「動物は家族同然の存在」という考えを持ち、
長年にわたって動物の保護活動を続けています。
「公益財団法人 動物環境・福祉協会Eva」を立ち上げ、自ら理事長として、
動物虐待を防ぐための活動にも力を入れています。
具体的には、国や自治体に向けて動物虐待防止のための法律整備や改正の提案を行ったり、
啓発のためのセミナーを開催したりしています。
さらに、小学校に出向いて動物と触れ合う「命の授業」を行い、
子どもたちが命の大切さと向き合える機会を作っています。
特に、感受性が育っていく子供の時期にこうした体験をすることは、
動物だけでなく自分自身の命を大切にする気持ちを育むきっかけにもなるのではと思います。
ペット保護活動の課題とこれから
ペットの保護には、大切な命を預かる責任があるだけでなく、医療費や餌代、
スタッフの人件費など、日々多くの費用がかかります。
現在、多くの保護施設は寄付金などで運営されていますが、
中には自分の年金や退職金を使って活動を続けている団体も少なくありません。
そこで坂上忍さんは、「さかがみ家」を、
「保護×商売」を組み合わせたハイブリッド型の保護施設にしたいと考えいているとのことです。
寄付や私財に頼らず、事業で得た収入の一部を活動費に充てることで、
自立して運営できる施設を目指しているのです。
保護施設を長く続けるためには、ただ保護するだけでなく、
保護に携わる人たちの負担を減らす工夫が欠かせません。
坂上さんがこうした現実に切り込んだことは、とても意義のあることだと感じます。
また、保護したすべての動物に新しい家族を見つけることは簡単ではありません。
だからこそ、芸能人が支援を呼びかけ、社会全体で取り組む意識を広めることが大切です。
個人ができることは限られています。それでも、「保護犬や保護猫の存在を知る」「寄付をする」
「ボランティアに参加する」といった小さな行動でも、命を救うきっかけになるはずです。
まとめ
ペットの保護活動に取り組む芸能人たちは、華やかな表舞台に立ちながらも、
その裏では命と真剣に向き合う活動を続けています。
坂上忍さんのように施設を運営している人、やす子さんのように将来の夢としている人、
杉本彩さんのようにライフワークとして続けている人。
それぞれの形は違っても、そこには変わらない深い愛情があります。
そして、私たち一人ひとりの小さな行動が、これからの命を守る力になります。
例えば、「寄付をする」「保護犬や保護猫の存在を知る」「ボランティアに参加する」など、
できることは身近なところにたくさんあります。
筆者も、こうしたことから少しずつ取り組んでいきたいと思っています!
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